五角研ぎについて

弊社で調整する万年筆は「五角研ぎ」というオリジナルの調整を施しています。
今回はその特徴について説明いたします。その特徴について簡単に説明すると、

・縦線がやや太く横線がやや細くなり、漢字・平仮名などの日本字がきれいに
 書くことができる

というものであります。「きれい」という意味はその人にとって気持ちのいいという
意味でして、他人からみてもきれい、という「上手な」ということとは違います。
つまり、自分の好きな字が書けるということであります。

昔の日本の万年筆は殆どが「角研ぎ」でありましてそのような研ぎ方が常識でしたので、
そのような名前をつける必要がありませんでした。
私がそのような研ぎ方にあえて名称をつけたのは現在主流の「丸研ぎ」が台頭しはじめて
からです。

先代から引き継いだその角研ぎの技術に私なりの解釈を加え「五角研ぎ」と名付けました。

五角研ぎの技術的な話はまた後日説明させて頂きますが、職人の立場からいうと
皆さんが書いたときに好きな字がかけるか、気持ちよく書けるかが問題なのです。

(私が後述する話も含めて)いろいろな情報には決して惑わされないで下さい。
皆さんが万年筆を持って書いたその時の素直な自分の感覚を信じて下さい。