日本での万年筆の成り立ち(4)

日本字を書く万年筆を作るのにどのようなペン先を作るかは重要な問題でした。

ペン先は材料に金を用いますが、何をどれくらい混ぜて何金にするのか、
どのくらいの力でプレスして締めるのか、どのような形状にして、「タメ」
(ペン先のアーチ状の丸めかた)をどれくらいにするのか、袖折れ(ペン先の左右の
折曲げ)でどれくらいの強度を出すのか、などです。

それぞれ作られるペンの特徴が異なってきます。そこで日本のメーカー各社は個性を
競い合うようになっていったのです。

合理性を求めていった西洋メーカーに大きな影響を受けつつ、日本では使い手の繊細な
要望に必死に応えようと独自の進化をしたのです。

そのような進化した筆記具が、後になり逆に西洋で受け入れられ、筆記具の輸出大国と
なるのは必然の流れであったのかも知れません。