万年筆と紙(1)

最近、文具メーカー各社から「万年筆用」と称して高価な便箋やノートが
発売されています。紙の厚みもありインキの吸収もよく、非常に贅沢な作りで
快適に書くことができます。

では、万年筆を使うにはそのような高級な紙でないとうまく書けないかと
いったらそうではないのです。

今とは違いボールペンで公文書を書くことが許されていなかった時代に、
当店のお客様の中には警察官や裁判所の書記官の方などが多く見えられました。
いずれも沢山文字を書く職業で、書くことに関してとても「うるさい」方々です。

当時の調書などを書く紙は改竄防止のためとても薄い紙を使っていました。
そのような紙にも引っかからずインキ切れを起こさないように調整することが
要求されていたのです。

警察官であれば、取り調べの最中に万年筆の調子が悪いからといって
「ちょっと、待った」と供述を止めさせるわけにいかないのでしょう。

当店では試し書き用の紙として、更紙(わら半紙)、新聞紙をご用意しています。
そのような質の悪い紙の方がお客様が書いたときに調整の違いがわかるからです。

当然、質の悪い紙で調子よく書けるなら、良質な紙ではさらによく書けます。
試し書き用にはコピー用紙、和紙便箋、高級便箋もご用意していますので、
是非書き比べてみて頂けたらと思います。